「高大接続探求ゼミ講座『植物の個性を探れ!食物繊維と野菜の不思議な関係』」を実施しました

東海国立大学機構の傘下にある名古屋大学教育学部付属高等学校は,SSH(スーパーサイエンス・ハイスクール)科学人材育成重点枠(高大接続)に昨年度から採択されています。
この高大接続プログラムは,東海地区の高校で構成される『SSHコンソーシアムTOKAI(SSCT)』の生徒さんたちが,名古屋大学や岐阜大学と連携した「競争と共同」のステージを経て成長し,大学,大学院と一気通貫でサイエンティストとして成熟し,次世代のサイエンスロールモデルとなることを目的としています。
このたび,7月30日と8月1日の2日間に亘ってSSCTの高校生9名に対して,食成分機能化学研究室が主催する「高大接続探求ゼミ講座『植物の個性を探れ!食物繊維と野菜の不思議な関係』」を実施し,矢部教授を講師として,研究室の金井さん(B4)と齋藤さん(B4)がTAとして参加しました。
SSCTの参画高校は愛知県,岐阜県,三重県の17校となりますが,このうち,名古屋市,岐阜市,大垣市の高校の生徒さんたちが参加しました。
野菜や果物に含まれる食物繊維という食品成分が,植物の側に立った際に細胞壁においてどのような役割を担っているのかをまずは知識としてふまえてもらった後に,食物繊維の代表として「ペクチン」に注目し,市販のペクチン粉末に牛乳を加えた場合と豆乳を加えた場合の挙動の違い(ゲル化するかしないか),豆乳に塩化カルシウムをさらに加えると何が起こるか,などまずは物質としてのペクチンの性質を3つのグループに分かれて,それぞれ考えてもらいました。
続いて実際に食物繊維の抽出を実践。
ゴーヤ,タマネギ,ニンジンなどの野菜に加えて,ジャムのイメージがあるオレンジ,リンゴ,バナナから,さらには「食物繊維」のイメージが強いきのこ類(シメジ,シイタケ,ヒラタケ)からも水溶性の食物繊維を抽出し,果たしてペクチンは存在するのかを考察しました。
まずは,実験を始める前にそれぞれの食材にどれだけ「ペクチン」が含まれているかをグループ毎に予想するところから。
その後,エタノール沈殿によって得られた水溶性の食物繊維の収率をそれぞれ実際に測定した上で,さらに牛乳を加えてゲル化するかを観察。
その収率とゲル化の具合から,初めに予想したことと実際はどの程度合っているか,合っていなかった場合はどうして予想が外れたのか,といったことを自由に議論してもらって,最後に3つのグループで10分ずつの発表を行ってもらいました。
二日間を通して,高校生の皆さんは高校の「生物」の実験とはまた異なる体験の中で,予想〜実験〜測定〜考察という研究のプロセスから,すでに知っている知識と目の前に起こっていることのギャップがどうしたら埋まるのかということをあれこれと考察する体験が出来たのではないかと思います。
高校生の皆さんお疲れさまでした!